2018年3月19日月曜日

解離の本 10


2-2.親の気持ちの不安定さ
 子どもの解離を引き起こす要因のひとつに、親のほうの気持ちの弱さや不安定さがあります。我が子の言動に過剰に反応し、些細なことで不安定になりやすい親のもとで育つと、子どもは親の態度に敏感となります。例えば子どもが小さな失敗をした時に、親が励まし支えるのが望ましいのですが、親自身が余裕を持てずにそれに打撃を受けて落ち込んでしまうとしましょう。すると子どもは自分の辛さ以上に親を落胆させたことに苦しみ、二重に傷つくことがあります。子供はかなり小さい頃から、自分の気持ちや意見を主張する様になりますが、それを親が「自分に逆らった」ととらえて逆上し、混乱した態度を取ることしかできないとしましょう。次第に子どもは自らの自発的な言動が親を苦しめると思い込むようになります。その結果健康な欲求や感情さえ表に出すのをやめてしまい、親の些細な感情の変化に過敏に反応し、顔色をうかがうようになるのです。親の気持ちを逆なでしないよう期待に沿う行動を取るうちに、本来あったはずの欲求や感情は切り離され、場合によっては感じ取れないほどになってしまいます。こうして彼らの真の情緒は解離され、実感を伴う生き生きとした感情は失われていきます。
ここで解離傾向の強い子供の中には、かなり特徴的な現象が起きることが知られています。それは親の心の中にある「いい子」である自分の姿がコピーされたように心に住み着くのです。もしこの親の心の中のいい子である「Bちゃん」が人格として動き出すと、今度はBちゃんが親の前ではいつも顔を出すようになり、本来のAちゃんは隠れてしまうということになります。

●●さん(10代女性、中学生)

(略)