2017年5月9日火曜日

未収録論文 ③

週一度、というより精神療法の「強度」のスペクトラム

(週一回サイコセラピー序説 創元社 2017年刊予定所収) 

初めに
 この「週に一度のセッション」というテーマについて始めますが、私にはどうもこのテーマについては、「週一度でごめんね、でもそれなりに立派に仕事が出来ますよ」というapologetic (謝罪的)なニュアンスを感じます。精神分析は本当は週に4度でなくてはならないが、週に一度だってそれなりに意味があるよ、でも週に一度であるという立場をわきまえていますよ、もちろん正式な精神分析とは言えません、分かっていますというニュアンスです。しかしそれは同時に一種の戒めでもあります。「まさか週に一度さえ守れていないことはないでしょうね。」「週に一度は最低ラインですよ、これ以下はもう精神分析的な療法とは言えませんよ」という一種の超自我的な響きがあります。さらにこれは時間についても言えます。一回50分、ないしは45分以上のセッションでなければお話になりませんよ。それ以下では意味がありませんよ、というメッセージがあります。

   (長いんで、以下略)