2016年10月29日土曜日

書く楽しみ

●書くことは面白い

ここで私が言いたいのは書くことは基本的には楽しい作業であるということです。人は何かの形を作り上げることに、本能的な快感を覚えます。自分の心の中にある種の構造を築くことも好きです。それは人間が美しい形に快感を覚えるからでしょうし、それを自分で作り上げる過程そのものも快感の源泉になります。おそらくそれにはあらゆる日常的な活動が含まれます。ありあわせの食材から一品を作るのは快感ですし、それを誰かにおいしいといってもらえればさらに快感です。私にとっては書くということも作る喜びを伴うものです。実は一番楽しいのは、あるテーマについて考えることです。たとえば私は今日の講演の3番まで、「わかることはわからないことだ」というテーマで話すことにしましたが、それについて歩きながら、あるいは地下鉄の中で延々と考えるのが好きです。

<以下省略>