2016年9月30日金曜日

Toward the theory of “Dissociation with capital D” ⑦、退行③

Freud continued to believe that seduction can still be occurring, but it is significant only because it increased the child’s libidinal excitation without discharge. In other words, external events play a role because they influence the internal condition. Thus Freud succeeded in uniting two antithetical factors into a single coherent model. In order to make this theory plausible, the “apparatus” of mind should be intact in performing its dynamic mechanism. It allows excessive libidinal excitation due to seduction which mobilizes the defense mechanism of repression, which results in symptom formation in later life. What Freud did not take into account is a state where trauma is so damaging to the mind that the “apparatus” can no longer maintain its integrity, resulting in catastrophic phenomenon, such as splitting of mind and “hypnoid state” that Breuer conceptualized. 


退行 ③


『夢判断』に1914年に付加された記述で,フロイトは退行を区別し,   a) 図式(心的装置)における逆行の意味での局所的退行
b) 以前の心的構成が再びあらわれる時間的退行
  c)  
通常の表現,描写の様式が原始的な様式のものに置き換わる場合の形式的退行
3つに区分し,「これら3種の退行は基本においては同じものであり,多くの場合,合併している。なぜなら時間的に古いものは同様にその形式において原始的であり,心的局所論においては知覚末端のより近くに位置しているからである」という。

フロイトはこの種の分類が本当に好きだな。こういうところが本当に理科系なのだ。

この観点から見ると,夢における局所的退行は,発達した正常な思考や表現形式が,より原始的な形式に退行するという意味での「形式的退行 formal regression」であり,発達としてみると,より古い段階への退行という意味で,「時間的退行 temporal regression」とみなすことができる。さらに時間的退行の一つとして,フロイト(1917) は,性的本能 (リビドーの発達と退行の理論を提起した。リビドーの発達は,その途上で固着点 fixation を残すが,一定の発達を遂げたリビドーは,一定の欲求挫折 frustration を契機として固着点に退行する。すなわち欲求挫折と固着が退行を引き起こす二大要因である。この退行したリビドーと抑圧の葛藤が,神経症の症状を形成すると考えられ,さらにこのリビドー退行には,過去のリビドー対象への逆戻りである「対象退行 object regression」とリビド一体制全体の、例えば強迫神経症における性器期体制から肛門期体制への退行のような欲動体制そのものの「欲動退行 drive regression」が区別された。さらにフロイトはリピドーの退行に加えて,自我の防衛機制の発達と退行における「自我退行 ego regression」を明らかにし,自我が適応,防衛のために退行をその手段として用いる「適応的退行 adaptive regression」や
「防衛的退行 defensive regression」が解明された。そして,これらの発達過程における固着とその固着点への退行(その退行状態に対する神経症的ないし精神病的防衛)によって,神経症や精神病(精神分裂病や繰うつ病)の病型の違いを説明する試みがフロイト,そしてアブラハム AbrahamK. によって大成され,精神分析的な精神病理学の基本的枠組みとなった。例えばヒステリーでは近親姦的な対象への退行,強迫神経症では肛門段階への欲動の退行, うつ病では口愛段階への欲動の退行が起こると考えられた。フロイトはしばしば,幼児期の過去が(個体のみならず人類の過去が)われわれのうちに残っているという事実を強調し,「原始的な諸状態はいつでも再生されうる。原始的精神は完全に不滅である」という。

フー。フロイトの頭って一体どうなっているんだろう?この情熱はどこから来たのか?とにかくフロイトは、「神経症において何が起きているのか」という疑問に、退行という概念で一生懸命こたえようとしていたことがわかる。下線部、つまり欲求挫折と固着ということが退行の二つの要因であり、日常生活や社会生活で体験した欲求挫折が、固着点に向かわしめる。それが退行であるとした。