2016年7月27日水曜日

推敲 2 ④

 このシンプルな画像はこれからも何度か登場することになるが、ここでの基本的なコンセプトを示しておきたい。図の横軸は時間経過を指す。縦軸にはドーパミン神経の興奮の度合い、とある。そしてパチンゴ玉をもらった瞬間、そしてそれが中央口に入った瞬間、にその興奮の度合いが縦軸に示されている。そしてその縦軸の変化の内部が青く塗られていることに注目していただきたい。これが示すところはドーパミンの興奮の積分値(すなわち面積)を意味する。今後これが私たちの快、不快のあり方の基本的な様式を示すことになる。私たちの日常体験、そして現在の脳科学でわかっていることは、快は時間とともに変化していくことであり、それはドーパミンの興奮の度合いと深く関係しているらしいということだ。そして図の2-1で示している½Pとは、それぞれの瞬間の積分値を示していることになる。
さて同じ例で、パチンコの玉が入らなかったら、今度は逆の体験、不快体験となる。図の2-2では球が外れた瞬間の体験が臙脂に塗られているが、これはマイナスの快感、すなわち不快、失望である。


これは一見合理的な説明である。パチンコ玉をもらってうれしくても、それをスッてしまったら、プラマイゼロだ。そんな体験は一日が終ったら忘れてしまう、ということになりはしないか。ちょうど一万円札を拾って喜んでよく見たら、1000万円と書かれたおもちゃのお札だと知ったときと同じである。一瞬の快、その直後の失望、プラマイゼロである。おそらくそのことをあとで思い出すことは少ないだろう。