2015年3月30日月曜日

解離とフォーミュレイトされていない体験(スターン) (5)


スターンさんは何度も強調する。抑圧モデルというのは無意識にある唯一の心理があり、それは客観的な現実に「対応」している、と考える。これを彼は「対応」理論 correspondence theory と呼ぶ。これを従来の分析かはかたくなに守ってきたのだという。この「対応」理論によれば、人の理解は絶対的で、文脈に依存せず、真理はいつも同じ真理、ということになる。ここら辺は私もある程度いいような気がする。たとえばクライエントが「偽善的」であるという性質を考える。それは文脈で変わることはない。見方によっては偽善的な振る舞いや言動が、別の視点からそうでない、ということを認めないことになる。スターンがこれを何度も強調するのは、この次に「定式化されていない体験unformulated experience(以下UEとしよう」というのを持ち出すからだ。そしてそれに基づいた考え方が解離であるという。

「定式化されていない体験」-解離に基づいた心のモデル

でもそれとは異なる見方をしたらどうだろう、というわけだ。「もはやこの対応理論に従っている人などいない。」なーんだ、それでいいのか。「ところが多くの分析家がこれに固執する様子を見せている。」ホント、どうしてだろうね。「そこで私が提唱するのが、解離に基づいたUE理論」。
少し見やすくすると
l        抑圧に基づく分析理論=真理はひとつ、客観的な現実に対応している。
l        解離に基づく分析理論=UE