2015年1月20日火曜日

第11章追加分(1)


統合失調症の解離性サブタイプ という題で書くが、これが難しいんだなあ。何を書いているのか自分でもわからずに進める。
 コリン・ロスらにより提唱されている「統合失調症の解離性サブタイプ、以下ややこしいからDSSと省略して表現する。」という概念は、上述の「精神病と解離性障害を区別すべし」という概念とある意味では相容れないので、検討する価値がある。1980年来両者は混同される、ないし互いに誤診される、という論調が主流を占めていたからである。そこに、「統合失調症の解離性サブタイプ」という議論を持ち込んだのが、ロスであった。(Ross, C. A. (2004). Schizophren ia: Innovations in diagnosis and Irealment. New York: Haworth Press.)
私が依拠するのは、the theory of a dissociative subtype of schizophrenia in Dell, Paul F. (Ed); O'Neil, John A. (Ed), (2009). Dissociation and the dissociative disorders: DSM-V and beyond., (pp. 487-493). New York, NY, US: Routledge/Taylor & Francis Group pp.557-568

仕方がないから文章を追っていく。彼はそもそも解離には4つの意味がある、というんだが、それほど大事じゃなさそうなので飛ばそう。とにかく解離はいろいろな疾患に合併して生じる。これはいい。そしてロスによれば、「統合失調症にも合併する」、と書いてある。これは・・・・まあいいか。読み進めよう。「解離症状とは、トラウマにより心が断片化したことによる。これはDIDにもDSSにも当てはまるというのだ。フンフン、つまり両者は区別しているのね。そして統合失調症のクライテリアの問題に入っていく。この本が書かれたのは数年前だから、当然DSMIVに依拠している。そして、例の妄想、幻覚、混乱した発話、混乱した行動、陰性症状、の5つのうち2つ。ただし、とある。①妄想が奇異である場合。②対話性の幻聴、ないしは振る舞いにコメントしてくる幻聴、の場合のどちらかなら一つでよい。ということで確かにDSM-IVの統合失調症の診断基準には大きなバグがあった!なぜならおそらくかなりの数のDIDの患者さんはこの②を満たしてしまうからである。