2014年5月28日水曜日

解離の治療論 (42)欧米における解離の治療論(16)

 さて第3段階は、ガイドラインでも特別章立てをする必要もないほどに簡略化されている。そこで私が自分で書いてみる。
3段階 「コーチングと家族相談の継続」
順調に治療が進み、回復のプロセスを辿った場合、頻回の治療はおそらく必要がなくなるであろう。しかし患者は時折面接を求めることがあるかもしれず、またその価値もあるであろう。なお患者がうつ病などの併存症を抱えている場合には、精神科受診による投薬の継続も必要となる。解離性障害、特にDIDについては、どのような家族のサポートが得られるかは、非常に重要な問題と言える。DIDの症状は基本的には日常的な(対人)ストレスのバロメーターというニュアンスがあるのだ。せっかくカウンセリングにより落ち着いても、日常的なDVが繰り広げられている家庭に戻っていくのでは意味がない。また一度は治療的な役割を担っていたパートナーも「初心」を忘れがちになるということも少なくない。その意味では継続的なカウンセリングは、よい治療結果を維持するという目的もあるのである。
何か他にあまり書くことが思い浮かばない。

ガイドラインの記載にしたがって、「治療の方式 treatment modalities」という部分に移ろう。なぜこの項目が必要になるかというと、治療を3つの時期に分けるのとは別に、それをどのような形式(モダリティ)で行うかということが問題になるからだ。それを精神科医が薬を用いながら行なうか、心理士やソーシャルワーカーが行なうか、個人で行なうか、グループで行なうか、などによって多少なりとも遣り方が異なる。しかしそのどのモダリティで行なうとしても、大体の流れは、これまでに示した3つの段階で行なわれるということである。
 ガイドラインでまず登場するのは、当然のことながら個人精神療法である。ガイドラインには、通り一遍のことが書いてある。「頻度や期間は様々なファクターにより変わってくる。しかし通常はC-PTSDなどと同様、治療は長期に、年単位にわたって続くと考えるべきである。頻度については少なくとも週に一度、多くのエキスパートは週二度を勧めるという。ただし高機能の患者については、週一度でいいであろう」「それ以上に頻繁になる場合(例えば週に34回など)は、期間を限定することで、患者の依存や退行を予防する」とある。また「セッションの長さについては、4550分が基本であるが、時には7590分を必要とする治療者もある」と書いてある。セッションの終わり方については特に書いてある。「患者が混乱したり解離した状態でセッションを終えることを避けるために、いかにグラウンディング(地に足をつけること。氷を握ってもらう、などの試み)を行うかを患者と共に考えておく人が必要である」、と書いてある。これらについては一応そのまま書くことができる。しかしコピペしたと思われると小保方さんみたいなことになるといけないので、一応私の文章で書いておこう。
「頻度や期間は様々なファクターにより変わってくるが、治療は長期に、年単位にわたって続く場合が多い。ただしケースにより症状が急速に改善することもあり、その場合は治療を必要以上に遷延させるよりは、生活状況の変化等により問題が生じた際に再開するという立場もありうる。頻度については少なくとも週に一度であり、欧米の多くのエキスパートは週二度を勧める。またセッションの長さについては、4550分が基本であるが、時には7590分を必要とする治療者もある。セッションの終わり方については特に書いてある。「患者が混乱したり解離した状態でセッションを終えることを避けるために、いかにグラウンディング(地に足をつけ、解離状態から回復すること。氷を握ってもらう、などの試み)を行うかを患者と共に考えておく人が必要である。」