2013年12月30日月曜日

恥から見た自己愛パーソナリティ障害(15)

でも、昨日サラっと書いたこと、すごく重要じゃないか? ひょっとしてサルの社会でも病的な自己愛が成立しているということか? 私の文脈は明らかに、動物は健全な自己愛のみ所有するというものだった。しかし社会を作る動物の場合は事情が異なる可能性がある。ここも人間とそれ以外を峻別する必要はない、ということか。
 でも社会を形成する動物には、アリとかハチも含まれるぞ。女王蜂はすごく自己愛的だったりして。「そこの働き蟻、頭が高いぞ」みたいな。まあここは、しかし感情を有するのは大脳辺縁系を有する生物以上、つまり爬虫類より上の動物、ということにしておこうか。それ以下は、極めて精巧な、しかし感情を持たないロボットと見なして差し支えないということだ。女王蜂ロボット。

自己愛連続体への侵害に対する反応
なんか表題のつけ方が教科書的だな。まあいいか。
ここでわかりやすく図式化しよう。「健全な自己愛領域」への侵害は、「闘争・逃避反応」(キャノン)を起こす。「肥大した病的な自己愛領域」への侵害は、「怒りや攻撃・恥反応」(岡野、なんちゃって)を起こす。
肥大した自己愛とは、その人が持っている生物としての自己保存本能に根ざしたものに加えて、生得的に獲得されたものだ。そしてそれが増大するための原則がある。(あれ、まだ書いたことなかったっけ?)

1.      自分が(他人に比較して)偉大だという感覚は、それを許容する社会的な環境とともに自然に増大する。
2.      その増大は、それを制限したり否定したりするような状況により縮小する。
3.      それが侵害されたとの感覚は、一瞬の、心の痛みを伴った恥の体験の直後に、侵害した人への攻撃が許容される範囲において、怒りや攻撃として発現する。
4.      侵害者への攻撃が不可能な場合には、恥辱として体験される。


もっともらしく項目に分けてみた。そういえば怒りと恥辱の関係をこれまではっきり書いていなかったからちょうどいいかも知れない。