2012年10月31日水曜日

パーソナリティ障害・自傷・同一性障害


「キーワード」を二つばかり引き受けた(何のことだ?)。2800字以内。はじめは、「パーソナリティ障害・自傷・同一性障害」しかしドウイツセイショウガイってなんだろう?死語ではないのか、などとボヤきつつ、書き始める。

 パーソナリティ障害とはその人の認知的、情緒的、ないしは行動上の特徴が、対人関係上の障害を引き起こす状態をさす。DSMではそれをクラスターA,B,Cに分ける。それらはクラスター(風変わりで自閉的で妄想を持ちやすく奇異で閉じこもりがちな性質を持つ)として妄想性パーソナリティ障害 スキゾイドパーソナリティ障害  統合失調型パーソナリティ障害 の3つ、クラスター(感情の混乱が激しく演技的で情緒的なのが特徴的。ストレスに対して脆弱で、他人を巻き込む事が多い)として反社会性パーソナリティ障害境界性パーソナリティ障害演技性パーソナリティ障害自己愛性パーソナリティ障害4つ、クラスターC(不安や恐怖心が強い性質を持つ。周りの評価が気になりそれがストレスとなる性向がある)としては回避性パーソナリティ障害依存性パーソナリティ障害強迫性パーソナリティ障害である。
これらの中で最も臨床上問題となるものとして境界型パーソナリティ障害をあげることが出来る。その特徴としては、きわめて低く、また不安定な同一性(アイデンティティ)の感覚、慢性的な空虚さ、激しい怒り、繰り返される自傷行為や自殺帰途などが上げられる。なお以下のDSM-IVにまとめられた症状はその症状面についてのエッセンスを捉えたものと言える。
現実に、または想像の中で見捨てられることを避けようとする死に物狂いの努力(注:5.の自殺行為または自傷行為は含めないこと )2.理想化と脱価値化との両極端を揺れ動くことによって特徴づけられる不安定で激しい対人関係様式 3.同一性障害:著明で持続的な不安定な自己像や自己観 4.自己を傷つける可能性のある衝動性で、少なくとも2つの領域にわたるもの(例:浪費、性行為、物質濫用、無謀な運転、むちゃ食い) 5.自殺の行為、そぶり、脅し、または自傷行為のくり返し 6.顕著な気分反応性による感情不安定性(例:通常は2 - 3時間持続し、2 - 3日以上持続することはまれな強い気分変調、いらいら、または不安)7.慢性的な空虚感 8.不適切で激しい怒り、または怒りの制御の困難(例:しばしばかんしゃくを起こす、いつも怒っている、取っ組み合いのけんかをくり返す)9.一過性のストレス関連性の妄想様観念、または重篤な解離性症状 (つづく)