2011年9月7日水曜日

対人恐怖とは何か?(8)

A: デパスは、おそらく内科などでもしばしば出されますし、一番名前が知られている安定剤ですね。後はもう一つ、いわゆるβ(ベータ)ブロッカーという一連の薬があり、こちらも役に立ちます。私も個人的にはこちらの方が好きです。

Q:先生もお飲みになるんですか?
A:アメリカでは自己処方がかなり自由なので、いろいろ試してみたことがありますよ。私は実はデパスやソラナックス等のマイナー系は好きではありません。なんとなく眠たくなるような気がして。それに慣れてくると思うのが嫌です。患者さんには散々そんな量では週間になることはありませんよ、という身ですが、何となく嫌です。ところがベータ―ブロッカーと言うのは本来高血圧の薬で、たくさんの人が飲んでいますし、習慣性と言うのがそもそもありません。私は時々飲むとしても、ベータ―ブロッカーの代表と言えるインデラルの一番小さい10ミリ錠を一つ程度ですが、高血圧の患者さんは時には百ミリ以上使うということもあります。習慣性がない、余り眠くならない、手の震えがなくなる、心臓もドキドキしなくなる。こんな便利な薬はありません…
Q:何かインデラルの話になるとまた興奮してきますね。
A:インデラルは、オーケストラの奏者たちも演奏の前に使っている人たちが多いのです。私はインデラルは体の緊張を取り、デパスは心の緊張を取る、という言い方をしています。インデラルは手の震えを止めるので・・・・・
Q:もうインデラルの話はこのくらいにして・・・
A:楽器奏者にとっては手の震えというのは非常に困るんです。だってバイオリンの高音部なんて、ほんの一ミリ指板を抑える位置がずれただけで一音違ってくるのですから・・・・
A:どうも先生は音楽の話とかにも嵌まる傾向がありますね。それではここで曲に行きましょう。